大判例

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最高裁判所第一小法廷 平成6(さ)2 判決

主 文

原略式命令を破棄する。

被告人を罰金三万円に処する。

右罰金を完納することができないときは、金五〇〇〇円を一日に換算し

た期間、被告人を労役場に留置する。

理 由

本件記録によると、神戸簡易裁判所は、平成五年一一月三〇日、被告人に対する

毒物及び劇物取締法違反被告事件(同庁平成五年(い)第二〇〇一号)について、

「被告人は、みだりに、平成五年四月二五日午前九時ころ、神戸市a区bc丁目d

番e号先路上に駐車中の普通乗用自動車内において、興奮・幻覚又は麻酔の作用を

有する劇物であって、政令で定めるトルエンを含有するシンナー約三、四四三ミリ

リットルを吸入する目的で所持したものである。」との事実を認定し、毒物及び劇

物取締法二四条の三、三条の三、同法施行令三二条の二、刑法一八条、刑訴法三四

八条を適用して、「被告人を罰金五万円に処する。右罰金を完納することができな

いときは、金五、〇〇〇円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置する。た

だし、端数を生じたときは、これを一日とする。右罰金に相当する金額を仮に納付

することを命ずる。」旨の略式命令を発付し、この略式命令は平成五年一二月二一

日確定したことが認められる。

しかしながら、毒物及び劇物取締法二四条の三、三条の三によれば、興奮、幻覚

又は麻酔の作用を有する毒物又は劇物の吸入目的所持の罪にかかる罰金の法定刑は

三万円以下であるから、これを超過して被告人を罰金五万円に処した右略式命令は、

法令に違反していることが明らかである上、被告人のために不利益であるといわな

ければならない。

よって、刑訴法四五八条一号により、原略式命令を破棄し、被告事件にっいて更

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に判決することとする。

原略式命令の確定した毒物及び劇物取締法違反の事実に法令を適用すると、被告

人の所為は、毒物及び劇物取締法二四条の三、三条の三、同法施行令三二条の二に

該当するので、所定刑中罰金刑を選択し、その所定金額の範囲内で被告人を罰金三

万円に処し、右罰金を完納することができないときは刑法一八条により、金五〇〇

〇円を一日に換算した期間、被告人を労役場に留置することとし、裁判官全員一致

の意見で、主文のとおり判決する。

検察官堀川和男 公判出席

平成七年三月二日

最高裁判所第一小法廷

裁判長裁判官 小 野 幹 雄

裁判官 大 堀 誠 一

裁判官 三 好 達

裁判官 高 橋 久 子

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